2009年05月05日

郵便と宅配便の違いは?

以前から疑問に思っていたのだが、郵便と宅配便はどうちがうのだろう?

利用する側としては料金の違いが一番の関心事だが、異なる名称を付けて明確に区別しているのには理由があるはずだ。

結論から言うと、郵便は
「信書(手紙など)を送ることができ、郵便事業会社の独占事業」
であり、宅配便は
「比較的小さな荷物を配達する事業」
だそうだ。
どうやら「信書」を送ることができるかどうかが大きな問題になるらしい。

以前、郵便事業を民間に開放しようとしてヤマト運輸が名乗りを上げ、結局断念したことがあった。
郵便ポストの設置数など、条件が厳しかったのが断念の理由だったと記憶している。
そこまでして参入するほど魅力のある事業ではなかったということだろう。
事業としての "うまみ" よりも公共性のほうが重要だから、さまざまな制約が決められているし、独占事業になっていると思われる。

さて、郵便と宅配便それぞれの語義を調べてみよう。

郵便とは
「信書やその他郵便法によって定められた物を国内外に送達する通信制度。日本では、従来の飛脚にかわって、前島密(ひそか)の提案により1871年(明治4)国営事業として発足。」(excite辞書『大辞林 第二版』)
であり、郵便物とは
「郵便法により取り扱いを定められた、信書その他の物。通常郵便物と小包郵便物・特殊取扱郵便物に区別される。」(excite辞書『大辞林 第二版』)
だそうである。

一方で宅配便とは
「一般の消費者を対象とした小口貨物のトラック輸送の一種。貨物自動車運送事業法に規定される。」(excite辞書『大辞林 第二版』)
だそうである。

では、郵便法では郵便物をどのように定義しているのだろうか。
第14条 郵便物は、第1種郵便物、第2種郵便物、第3種郵便物及び第四種郵便物とする。
第1種から第4種までの郵便物については、第20条から第27条にかけて定義している。
長いので整理すると、
第1種郵便物
封筒など第2種〜第4種に含まれないもの
第2種郵便物
通常葉書及び往復葉書
第3種郵便物
定期刊行物。郵便事業会社の承認が必要
第4種郵便物
通信教育教材、内容が盲人用点字のもの、植物の種子や苗など、蚕種(蚕の卵!?)、学術刊行物
だそうである。

第1種が「第2種郵便物、第3種郵便物及び第4種郵便物に該当しないもの」(郵便法 第20条) と規定されていることから、先に引用した第14条と合わせると、「郵便物とは "もの" である」と定義していることになるわけで、つまり言葉どおりに受け取ればあらゆるものが郵便物になりうる (第12条で郵便禁制品を規定しているので、正確にはそれ以外のあらゆるもの。第15条で大ささ等の制限も定められている)。

最初で述べたとおり郵便事業は郵便事業会社の独占事業と定められているから、宅配業者は違法なのだろうか?

郵便事業の独占について、郵便法は以下のように定めている。
第4条 会社以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない。ただし、会社が、契約により会社のため郵便の業務の一部を委託することを妨げない。
2 会社(契約により会社から郵便の業務の一部の委託を受けた者を含む。)以外の者は、何人も、他人の信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。(後略)
(第3項以降略)
※ここで「会社」とは「郵便事業株式会社」のこと。

どうやら郵便事業会社以外は信書を送ってはいけない、と言いたいらしい。
第1項で、「会社以外の者は」「郵便の業務を業とし」てはならない、としているところが気になるが、あちこち調べてみると「郵便法で、郵便事業会社 (および、現在存在しないが認可を受けた会社) 以外は信書を送ることを禁じている」のように書かれていて、ここはそう解釈するらしい。
やや腑に落ちないながらも。

どのようなものが信書に該当するかについては「信書に該当する文書に関する指針」という総務省告示で詳しく述べられている。

インターネットがここまで普及した現在、「信書」のみを特別扱いする理由があるのか疑問に思う。
インターネットを利用できない (あるいは利用していない) 人たちの利便性をどのように確保するかを考えた制度設計をしたほうがよいのではないだろうか?
タグ:郵便 宅配便
posted by K/I at 08:34 | 東京 ☀ | Comment(1) | TrackBack(1) | 調査レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする